Boeing777はBoeingが誇る300-400人クラスの旅客機で,2014年現在ライバル機種がなく,世界中で飛んでいます。AirbusもA340,A330という300-400人乗りの飛行機のシリーズがありますが,Boeing777に比べると,大きさや燃費の点で勝てない領域が多いため,今のところBoeing777は世界に敵なしと言っても過言ではありません。

Boeing777がすぐれているのは,燃費や航続距離,乗れる旅客数だけではなく,安全性に関してもとても優れています。多くの飛行機は事故によって失われる機体が少なくありません。例えば,現在世界で一番売れている旅客機であるBoeing 737は,現在までに約8000機生産されていますが,そのうち169機は事故により失われています。もちろん,飛行機事故の多くはパイロットミスが原因ですが,機体メーカーの設計が悪かったものも多くあります。

その観点から考えると,Boeing777は非常に事故の少ない機体です。初飛行してから現在まで20年ほど経っていますが,現在までに事故により失われた機体は4機のみです。2013年までは2機しか失われておらず,また事故による犠牲者はゼロでした。奇跡的とも言える安全性です。1200機ほどが生産されています。

ところが,2つの痛ましい事故が起こってしまいました。

  • アシアナ航空214便
  • マレーシア航空370便

前者の事故は,サンフランシスコ国際空港に着陸する際,失敗して機体が大破したものです。いまだ原因はわかっていませんが着陸時の速度が以上に低く,十分な安定性が確保できる速度域ではなかったことがわかっています。

後者の事故は謎が多く,未だブラックボックスを巡ってオーストラリア沖で捜索が行われています。飛行機のブラックボックスはFDRとCVRから構成されており,飛行の状態(速度・高度など)とコックピットの音声の録音が残り,事故後も電池で1ヶ月間の間自分の位置を知らせる装置がついています。これを探して原因を究明しようと,オーストラリアには各国の軍から飛行機が派遣されています。

飛行機の事故は一度起きると多くの命が失われるため,そこから教訓を経てその後の飛行機の設計や運航に役立てるため,徹底的に調査が行われます。そして,究極の安全性を求める果てしない旅が続きます。一刻も早い事故機のブラックボックスの回収が求められています。